おさらいPart1 大学入試センター試験のしくみ

おさらいPart1 大学入試センター試験のしくみ

大学入試センター試験
受験生にとっては知ってて当たり前のことですが、「センター試験」についておさらいをしておきましょう。
 大学入試センター試験は、毎年1月に一斉に行われる全国共通のマークセンス式の試験です。「大学入学志願者の高校における基礎的な学習の達成度を判定すること」を目的とし、国公立大学の一般入試志願者は原則必ず受験しなければならないものです。その他、国公立大学の推薦 やAO入試、また9割近い私立大学がセンター試験を利用した入試を実施しています。大学志望者のほぼ全員が受験する試験といってもいいでしょう。
出題教科・受験科目
センター試験の出題教科、科目は下図のとおり6つの区分に5教科・29科目が設定されています。
教科 グループ 出題科目 試験時間(配点) 出題方法等 科目選択の方法等
国語 『国語』 80分(200点) 「国語総合」「国語表現I」の内容を出題範囲とし、近代以降の文章、古典(古文、漢文)を出題する。
地理歴史 「世界史A」 「世界史B」 「日本史A」 「日本史B」 「地理A」 「地理B」 <1科目選択>
60分(100点)
<2科目選択>
130分 (うち解答時間120分)(200点)
左記出題科目の10科目のうちから最大2科目を選択し、解答する。ただし、同一名称を含む科目の組み合わせで2科目を選択することはできない。なお、受験する科目数は出願時に申請するものとする。
公民 「現代社会」 「倫理」 「政治・経済」 『倫理、政治・経済』 「倫理、政治・経済」は「倫理」と「政治・経済」を総合した出題範囲とする。
数学 (1) 「数学I」 『数学I・A』 60分(100点) 『数学I・A』は「数学I」と「数学A」を総合した出題範囲とする。 左記出題科目の2科目のうちから1科目を選択し、解答する。
(2) 「数学II」 『数学II・B』 「工業数理基礎」 『簿記・会計』 『情報関係基礎』 60分(100点) 『数学Ⅱ・数学B』は,「数学Ⅱ」と「数学B」を総合した出題範囲とする。 ただし、次に記す「数学B」の4項目の内容のうち、2項目以上を学習した者に対応した出題とし、問題を選択解答させる。(数列、ベクトル、統計とコンピュータ、数値計算とコンピュータ)。 『簿記・会計』は、「簿記」及び「会計」を総合した出題範囲とし、「会計」については、会計の基礎、貸借対照表、損益計算書、財務諸表の活用の4 項目の内容のうち、会計の基礎を出題する。 『情報関係基礎』は、専門教育を主とする農業、工業、商業、水産、家庭、看護、情報及び福祉の8教科に設定されている情報に関する基礎的科目を出題範囲とする。 左記出題科目の5科目のうちから1科目を選択し、解答する。
理科 「理科総合A」 「理科総合B」 「物理I」 「化学I」 「生物I」 「地学I」 <1科目選択>
60分(100点)
<2科目選択>
解答時間
130分(うち解答時間120分)(200点)
左記出題科目の6科目のうちから最大2科目を選択し、解答する。なお、受験する科目数 は出願時に申し出ること。
外国語 『英語』 『ドイツ語』 『フランス語』 『中国語』『韓国語』 <筆記>
80分(200点)
<リスニング>
(英語のみ)
60分(うち解答時間30分)
(50点)
『英語』は、「オーラルコミュニケーションI」及び「英語I」に加えて「オーラルコミュニケーションII」と「英語II」に共通する事項を出題範囲とする。 左記出題科目の5科目のうちから1科目を選択し、解答する。
  • 理系……外国語、国語、数学(1)、数学(2)、理科から2科目、地歴歴史・公民から1科目
  • 文系……外国語、国語、数学(1)、数学(2)、理科から1科目、地歴歴史・公民から2科目

公立では難関大学を除き、国立より科目負担の軽い大学が多くみられます。また、私立大学がセンター試験利用入試を課す場合は3教科が中心となり、セン ター試験の成績だけで合否を判定する場合がほとんどですが、センター試験と個別試験を併用して判定する大学も増えています。

センター試験の注意点
 受験の組み合わせに制限のあった「地理歴史(以下地歴)」「公民」と「物理・地学」「化学・理科総合A」「生物・理科総合B」がそれぞれ「地歴・公民」 「理科」に一本化され、志望大学の指定に応じて最大2科目まで受験することが可能となりました。この変更に合わせて時間割も改訂され、「地歴・公民」「理 科」を2科目選択する者は、2科目を130分で受験することになりました。(第1解答科目(60分)+答案回収等(10分)+第2解答科目(60分))1 科目選択の受験者は、2科目選択者の第2解答科目と同時間帯での実施となっています。
以下2014年度センター試験のスケジュールです。
2014年度スケジュール
 センター試験は、受験案内の入手から受験までに様々な手順を踏む必要があります。以下は2014年度センター試験の例です。受験までの大きな流れについては毎年ほとんど変更がありません。
重要なポイントをいくつかまとめておきます。

  1. 受験案内の配布(9月2日~)
  2. 検定料の払込(9月2日~)
    検定料は受検する教科数により異なります。●2教科以下の場合…1万2000円
    ●3教科以上の場合…1万8000円最初から受験教科を絞り込んでしまうと、受験直前になって志望校を変更することができなくなります。 できる限り「3教科以上」受験を前提としてセンター試験の準備を進めておくとよいでしょう。
  3. 出願期間(10月1日~10月11日)
    高3生は高校で一括出願できますが、既卒生は各自で出願しなければなりません。締切間近になって慌てないよう余裕をもって準備しておきましょう。
  4. 「確認はがき」の送付(10月中旬~11月1日までに到着)
  5. 「受験票」の送付(12月上旬~12月16日までに到着)
    「確認はがき」(出願受理通知)では、氏名や登録教科などの内容が正しいかどうかを確認しておきます。また「受験票」には試験会場が記載されていますので、必ず事前に交通手段を確認し、下見をしておきましょう。
  6. 本試験・追試験
    大学入試センター試験の実施期日については、「1月13日以降の最初の土曜日及び翌日の日曜日」とすることが文部科学省から各国公私立大 学長に対して通知されており、センター試験は毎年2日間にわたって実施されています。体調不良などにより本試験が受けられなかった場合は、翌週の追試験を 受験することができますが、医師の診断書の提出など特別な手続が必要になります。