東北に新医学部!2016年度入試予定!文科省が今夏までに学校選定
文部科学省は、東北への大学医学部新設に向けて、新設に名乗りを上げている東北薬科大(仙台市)、一般財団法人脳神経疾患研究所(福島県郡山市)、宮城県(宮城大学予定)のなかから適正な大学を選ぶ。
2016年度に医学部を受験する人は要チェックです。
◎開学7年目以降に黒字/東北医科薬科大(東北薬科大)
開学に要する費用は241億円。自己資金217億円に加え、宮城県からの補助金30億円を見込む。開学から6年間は赤字だが、その後は安定的に黒字になる。
入学定員は100人。当面は東北出身者限定の「復興支援特別枠」20人を増員する。
キャンパスは付属病院の隣接地を買収、賃借する。既に地権者とは条件面で合意した。教員180人で34講座を置く。
付属病院は現在466床。仙台圏内の複数の病院と譲り受けに関する合意書を交わしており、これらを第2、第3の付属病院として活用する。将来的には統合して600床以上を確保する。
臨床実習は、国立病院機構仙台医療センターと東北労災病院(仙台市)から協力の内諾を得た。
東北大の東北メディカル・メガバンク機構、福島県立医科大のふくしま医療科学センター県民健康管理センター、放射線医学総合研究所(千葉市)との連携も模索する。
◎財団寄付で用地も確保/国際復興記念大(脳神経疾患研)
開学費用は校舎建設など93億円。財団傘下の医療機関から計100億円超の寄付を受ける。
入学定員は臨時定員の20人を含めて90人。2年次に10人の編入枠を設ける。東北の地域枠は各県11人。さらに福島県に9人の重点枠を割り振る。
キャンパス用地も財団からの寄付などで確保する。学長には元慶大教授で日本生殖医学会の吉村泰典理事長、医学部長には須田年生慶大教授の就任を予定する。
付属病院の母体となる南東北病院は635床、35診療科。今後、総合周産期母子医療、地域医療支援、総合診療の各センターを整備する。
臨床実習は付属病院で対応可能だが、災害医療実習は、いわき市立総合磐城共立病院、竹田総合病院(福島県会津若松市)、白河厚生総合病院(福島県白河市)から受け入れの了承を得た。
東北大や福島県立医科大、東京理科大、北海道医療大からも連携の了解を得た。
◎東北出身は開学時8割/宮城大(宮城県)
開学費用は付属病院建設費などに270億円。
入学定員は60人。開学当初の東北出身者の割合を8割程度と見込む。宮城県栗原市のキャンパス用地は地権者の同意を得た。教養課程は大和キャンパスの活用も想定する。
付属病院は、栗原中央病院と県立循環器・呼吸器病センターを母体に大崎・栗原医療圏の余剰病床を合わせて600床。医師185人、看護師550人、事務局員55人程度を想定する。
宮城県内の大崎市民、登米市立、石巻市立、公立志津川、気仙沼市立、仙台医療センター、仙台市立、県南中核、公立刈田総合、仙台厚生の各病院との連携を検討する。過疎地や被災地での医療実習は栗駒、若柳、気仙沼市立、気仙沼市立本吉、石巻市立の県内各病院への依頼を想定する。
放射線医学教育は仙台厚生病院を通じて公立相馬総合、相馬中央、南相馬市立総合、いわき市立総合磐城共立の各病院への要請を検討する。