おさらいPart2 私立大学試験のしくみ
各私立大学はさまざまな入試方式を採用していますが、その内容については大学によって異なります。
自分が受験する大学や学部によって変わってきますのであらかじめ調べておきましょう。
スケジュール
7月上旬から募集要項の発表が始まり、だいたい9月~11月をピークに、各大学において願書の配布が行われます。入試はセンター試験の後1月 下旬からスタートし、まずは関西地区を中心に本格化し、2月中旬には首都圏を中心にピークを迎えます。3月に入っても一部の大学で後期入試、2次募集など は実施されますが、3月下旬には大半の大学で入試が終了します。
入試科目
私立大学の一般大学は、3教科型が中心となります。ただし、最近では定員の一部を2教科以下の受験方式に設定する大学も増えています。
3教科型の標準的な入試科目は以下の通りです。
3教科型の標準的な入試科目は以下の通りです。
- 理系
英語・数学・理科(1科目または2科目)の3教科が基本、2教科の場合は英語・数学か、数学が必須で英語・理科から1教科選択のパターンが主流。 - 文系
英語と国語必須で地歴・公民・数学から1教科選択の3教科が中心となり、2教科の場合は英語必須で他の1教科を選択するか、任意の2教科を選択する方式が主流。
各教科の出題内容は以下の通りです。
- 英語
I・II・リーディング・ライティングが中心。 - 数学
理工や医学系の場合、数学I・II・III・A・B・C・数学I・II・III・A・Bが多く、薬・農・看護では数学I・II・A・Bが多数となる。 文型の場合、選択科目としての出題がほとんどだが、数学I・A、数学I・II・A、数学I・II・A・Bが主な出題範囲となる。※2015年度入試から、数学Cは数学IIIに吸収 - 国語
国語総合・現代文・古典を課すところが多い。 - 理科
物理・化学・生物のI・IIが中心、地学を入試科目とするところは少ない。※2015年度入試からは科目構成が変更 - 地理歴史
B科目が中心。 - 公民
「政治・経済」以外を入試科目とするところは少ない。
さまざまな入試方式
多くの私立大学が採用している代表的な入試方式について2013年度入試の情報を例にして説明します。
- センター試験利用方式
現在の私立大学の複線入試の中心となっているのが「センター試験利用方式」です。その名のとおりセンター試験の成績を利用して合否判定を行う入試方式で す。センター試験を受験するだけで複数の大学・学部に出願できるだけでなく、国公立志望者が併願しやすいため、現在では全私立大学の80%以上が採用して いる方式です。ほとんどの大学が大学独自の試験を行わず、センター試験の成績のみで合否の判定を行いますが、センター試験と独自試験の総合成績や、セン ター試験と独自試験のうち高得点の方を判定に利用する大学もあります。また、最近はこれらを組み合わせて複数回のセンター試験利用方式を設定する大学も多 くなっています。多くの大学が一般入試と同じ受験教科数としていますが、中には国立大学同様の6科目や7科目を課す大学もあります。◆センター試験利用方式実施例
「センター試験のみ(独自試験なし)」
・立教大学社会学部
・早稲田大学政治経済学部
・同志社大学生命医科学部 など「センター試験+独自試験併用」
・成蹊大学法学部P方式
[センタープラス国公立併願 アシスト]
・龍谷大学理工学部[中期] など※センター試験と独自試験の成績を総合して合否を判定する方式は「センター併用」と呼ばれてきましたが、近年「センタープラス」という名称を使用する 大学が増えています。例としては、名城大学、京都産業大学、福岡大学などが挙げられます。ただし、名称は共通でも総合判定の方法については各大学ごとに異 なります。出願時期に関してはセンター試験前に出願する大学と、早稲田大学などのようにセンター試験後も出願が可能な大学に分かれます。
- 全学部統一入試
全学部・学科が共通の問題を用いて同じ日に一斉に試験を行う入試方式です。複数の学部への併願が可能な大学もあります。一般入試とは別日程で実施するため、同じ学部・学科を二度 受験することが可能になるだけでなく、併願校との日程重複回避に利用することができます。◆全学部統一入試実施例
・明治大学[全学部統一入試]
・同志社大学[全学部日程] - 試験日自由選択制
同じ学部・学科で複数の試験日が用意され、その中から受験生が自分に都合の 良い日を選んで受験できる入試方式です。中にはすべての試験日に同じ学部・学科を受験することが可能な大学もあります。併願校の試験日とのバッティング回避に利用できることが最大のメリットです。◆試験日自由選択制実施例
・東海大学[一般入試A方式]
・愛知学院大学[前期試験A]
・京都女子大学[前期A方式] - 得意科目重視型
事前に申請した得意科目の配点に一定の倍率をかけて判定に利用する入試費方式です。大学によっては、高得点の科目のみの点数で合否判定を行う方式を「得意 科目重視型」と呼ぶ場合もあります。自分の得意科目を活かせる制度といえますが、その科目を得意とする受験生が集まるため、高倍率になる場合があります。
- 学外試験会場(地方入試)
大学の所在地以外に設置される試験会場で行われる試験のことです。体力的にも経済的にも(交通費・宿泊代)、また地元で受けられるということで精神的にも 負担が軽減され、メリットが大きい入試方式といえます。大学で実施される試験日と別日程であれば、大学での試験と学外試験会場の併願ができ、受験機会を増 やすことができます。 ◆学外試験会場実施例
・東北学院大学…札幌・旭川・帯広・青森・八戸・秋田・盛岡・山形・鶴岡・郡山・東京
・中央大学…札幌・仙台・新潟・さいたま・千葉・横浜・名古屋・大阪・広島・福岡
・東京理科大学(B方式)…札幌・仙台・名古屋・大阪・広島・福岡
・法政大学(T日程)…札幌・仙台・名古屋・新潟・金沢・長野・大阪・広島・福岡
・名城大学(B方式)…仙台・東京・松本・富山・福井・金沢・静岡・津・浜 松・大阪・岡山・広島・高松・福岡・那覇
・関西学院大学(全学日程)…札幌・東京・金沢・静岡・名古屋・京都・大阪・和歌山・松江・岡山・広島・山口・高松・松山・高知・小倉・博多・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島
・福岡大学(前期日程)…東京・大阪・高松・松山・広島・山口・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄