ロボットは東大に合格できるのか?「東ロボくん」進化 模試の結果

ロボットは東大に合格できるのか?「東ロボくん」進化 模試の結果

この東大合格を目指す人工知能は「東ロボくん」と呼ばれ、国立情報学研究所の新井紀子教授らの研究チームが開発。

本プロジェクトの具体的な目標として、2016年度までに大学入試センター試験で高得点をマークすること、また2021年度に東京大学入試を突破することを目標に研究活動を進めている。

2度目の挑戦となったことしの模試の結果は2日、東京の大手予備校で発表され、すべての科目を合わせた偏差値は、去年の45.1から47.3へと伸びた。 この成績は、目指す東大合格にはまだまだ届かないが、国公立大学4校を含む470余りの大学で「合格率80%以上」を示すA判定となった。

5教科7科目の成績は、国語と英語、世界史、それに2科目の数学のうちの数2・Bが平均点を超え、特に英語は偏差値が10近くアップ。 英語の成績アップは、会話の内容を理解したり、単語の意味を文脈から類推する問題の正解率が上がったのが理由で、スマートフォンなどに使われる言語認識の技術を取り入れたことが功を奏した。 一方で、図やグラフを理解したり、長い文章を読み解く力には課題も残っているという。

英語の成績が大幅に伸びた背景には、スマートフォンに用いられる文章認識技術を活用したとのこと。 開発にあたったNTTコミュニケーション科学基礎研究所によると、こうした技術を応用すれば、人間の雑談につきあってくれる人工知能の開発にもつながるということです。 東 中竜一郎主任研究員は、「人間のように複雑な感情の理解はまだできないが、相手のことばが悲しい内容なのか、うれしい内容なのかくらいは、ある程度理解で きるので、それを教え込むと問題が解けるようになった。将来的には、人間どうしのやり取りにも参加できる人工知能を開発したい」と話していた。