5年後に「廃止」?センター試験に関して

5年後に「廃止」?センター試験に関して

”5年後廃止?大学センター試験見直しの裏側”

1990年にスタートした「大学入試センター試験」。早ければ5年後の2018年にも見直され、場合によっては廃止される可能性もある。もともとは79年の「共通一次試験」が前身だが、この30年間以上、常にそのあり方や問題点が指摘されてきた。

なぜ抜本的に見直すことになったのか

特に問われてきたのが、一発試験による選抜方法だ。たった1回(2日間)の成績だけで合否を判定する手法は、当日の体調などに加え、「過去の問題研究」がツボにはまったりするかどうかで大きく結果が異なるなど、運が左右する要素も大きい。科目数も6教科(国語・数学・外国語・理科・地理歴史・公民」・29科目にまで広がり、重箱の隅をつつくような問題も少なくなかった。

そこで、文部科学省の中央教育審議会では「高等学校学習到達度テスト」、自民党の教育再生実行本部では「達成度テスト」などの名称で、大学入試を抜本的に見直す方針を掲げた。志願者の学力の到達度を測るため、希望参加型とし、在学中に何度でも挑戦できる全国規模のテスト、という仕組みである。

生徒は複数回受けられる「到達度テスト」(仮称)のうち、最もいい成績を志望大学に提出すればいい。高校2年生から受験可能という意見も出ている。到達度テストを1次とし、各大学による独自の2次テストを行う、というようなイメージだ。

大野 和幸 :東洋経済 記者

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”センター試験「廃止」は本当か 渡辺敦司”

「センター試験廃止へ」……。一部の新聞が報道して以来、大きな話題となりました。ただ、後を追った新聞によっては「見直し」「廃止検討」「(新しいテストと)統合」など、若干ニュアンスが違うようです。ところで、こうした報道を世間では唐突だと受け止めた向きが多かったようですが、当サイトの読者のかたなら、大学入試に「大改革」が迫られていたこと、大学入試センター試験も含めて現行入試の在り方が問われていたことは、ご存じだと思います。そのうえで、本当にセンター試験が廃止される可能性はあるのでしょうか。

結論から言えば、現段階で正式に決まったものは何もありません。そもそも最初の報道でも「文部科学省は……検討を始めた」としていました。同日に開催された政府の教育再生実行会議(外部のPDFにリンク)では「高大接続・大学入試の在り方に関する討議」が始まったのですが、大学入試センター試験の存廃に関する具体的な提案があったわけではありません。
ただ、会合に出席した安西祐一郎・中央教育審議会副会長(外部のPDFにリンク)が「多様な大学入学者選抜の仕組みをつくるべき」「大学・学部などの目指す目標や機能などにより入学者選抜の方法も違ってしかるべき」だとの考えを示していました。具体案は別として、大学入試に抜本的な改革が必要だという認識であることは間違いありません。

安倍内閣が設置した教育再生実行会議の前から、常設の文部科学相の諮問機関である中教審が大学入試の改革を検討していたことは、これまでの記事で紹介してきた通りです。では、その中教審はどうなっていたかというと、大学入試の問題などを話し合うため2012(平成24)年9月に設置された「高大接続特別部会」では、あまり議論が進んでいないのが現状です。2013(同25)年5月の会合で文科省事務局から提案された「審議の状況」に対しても委員から異論が出されており、必ずしも一致したものではありません。

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